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カバに襲われる町

ケニア初の日本人運営クラブが拠点を置く「ニャフルル」には、野生のカバが住んでいます。

町はずれにカバが住んでいるなんて、アフリカらしいともいえますが、
実は、カバによる事故や被害が絶えない町でもあるのです。

 

今さらだけど、カバについて

歩くカバphoto by Pixabay

カバは英語で「hippopotamus」といいます。

 

長いよ!

読めないよ!

 

ということで、
略して「 hippo = ヒッポ 」で伝わります。

他にも、

「river horse」
「water horse」

と呼んでいる地域もあります。

 

そして漢字では、

河馬(かば)。

馬っぽいですかね?

 

赤い汗をかくカバ

カバの赤い汗イラスト by 「ケニアの日本人オーナー」

豆知識ですが、
カバは、赤い汗 をかく動物として知られています。

なんか、
ちょっと気持ち悪いかも…。

赤い液体の正体は、汗ではなく、
体を守るための分泌液とのことらしいです。

体毛がほとんどないカバは、
この分泌液によって乾燥や紫外線から体を守り、
また、細菌感染などから身を守る役割もあるのだそうです。

 

獰猛な生き物

photo by Pixabay

カバは、昼間は水中でのんびり寝ていることが多い動物です。

外見もユーモラスで、
ムーミンのモデル(?)にもなっていて、

とにかく、
「カバ = おっとり」のイメージがあります。

ところが、
実際には獰猛(どうもう)な動物であり、時に人間やワニさえも襲います。

夜行性のカバが夜になって陸に上がってきた時や、
子育てで気が立っている時期には、特に注意が必要な動物なのです。

 

ところで、
ムーミンのモデルは、カバではなく「トロール」だという説もありますが、

 

「とろ~る」

 

こうやって平仮名で書くと、
なんだかちょっと美味しそう…。

 

カバはヤバイ。

走るカバカバは時速30~40kmで走ることができる。

カバは夜行性です。

そのため、基本的には昼間は水中にいることが多く、
夜になると陸に上がってきます。

アフリカ諸国では、街灯が少なく、
特にケニアの国内電気普及率は約30%といわれていますから、
夜に外へ出ると、あたり一面に暗闇が広がっています。

カバが遠くや草むらにいても、すぐに気付かないことも多いのです。

そんな中、
カバに出くわしてしまったら…。

「すぐ逃げた方がいい」というのはその通りかもしれませんが、
なんと、カバは時速30~40kmで走ることが出来る動物です。
しかも、持久力にも優れているカバ。

もはやアスリートでもない限り、怒り狂ったカバから逃げ切ることは出来ません。

昼夜関係なく、
うっかり水辺の縄張りに足を踏み入れてしまった時などにも襲われてしまう可能性があります。

 

被害は毎年3,000件以上

アフリカ全体で毎年2,900人がカバによって殺されるというデータがあります。毎年2,900人がカバによって殺されてしまう。

アフリカで最もヒトを襲う動物は、
ライオンでもワニでもなく、カバであり、かなりキケンです。

カバによる死者は、アフリカ全体で毎年約2,900人にのぼるというデータがあります。
負傷者を入れると、この数はさらに大きくなります。

ケニアのニャフルルという町も、やはりカバによる被害が絶えない町。
毎年数人の命がカバによって奪われてしまいます。

最近では、カバに対する注意喚起や知識も広がってきていますが、
それでも毎年、命を落としてしまう人がいます。

酔っ払いが夜に出歩いて、カバに襲われるケースもあります。

 

カバ対策の難しさ

人がカバによって殺されてしまう事件が相次いだとしても、
その対策を講じるのは容易ではありません。

力がとても強く、
また、行動範囲も広いため、
フェンスを張り巡らせるにも限界があり、有効な手段がなかなか見つからないのが現状です。

しかし一方で、自然に暮らすカバたちを尊重するならば、
その周辺に住んでいる人間たちに非がまったくない訳でもないのかもしれません。

カバを封じ込めるだけでなく、
どのように共生していけるかを考えなければなりません。

 

どなたか、
カバの習性などに詳しい方がおられましたら、アドバイスもお願いします。